失恋ショコラ【短】
目から鱗(ウロコ)と言わんばかりのあたしに、篠原が眉を寄せながら続ける。


「大体、お前みたいにクソが付く程の生真面目な女が、あんなすんなり男とセックス出来るか。本気で同意する気がねぇなら、俺を蹴飛ばしてでも逃げるだろうが」


言われてみれば、そんな気がしなくも無い。


だけど…


篠原に言われて“そんな気がしてしまう”自分に、何とも言えない気持ちが込み上げて来る。


「そんなの先生の言い訳です」


「……本当に強情だな」


「先生にだけは言われたくありません」


ムッとしながら言い返すと、篠原が大きなため息を漏らした。


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