失恋ショコラ【短】
こんなシャツを着て会社に戻るなんて、どう考えても不可能だった。


「だから言っただろ、無理だって」


原因を作った張本人があまりにもあっけらかんとしているから、もう怒る気力すら湧いて来ない。


「ほらよ」


差し出されたのは、あれ程欲していた原稿だけど…


「ありがとうございます」


嬉しいやら悲しいやらで、もう事務的な言葉を返す事しか出来なかった。


「とりあえずシャワー浴びて、これでも着ろ」


体のあちこちにチョコの痕が残っている上、あたしには他に選択権が無くて…


仕方なく、差し出された白いシャツを受け取った。


< 56 / 77 >

この作品をシェア

pagetop