絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅱ
「……」
「そうしよう」
「別れるつもりはない?」
 彼女が困ったような顔をしているように見える。それが錯覚かどうなのか。
「微塵も」
 言いながら抱きしめた。離すわけがない。
 深く考えるな。たかが元彼氏から暇つぶしの手紙が来て、ただ会ってみただけのこと。相手にはもう新しい女がいる。
 たいしたことじゃない。

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