2年3組乙女事情

びっくりしてあたしを見たお兄ちゃんを残して、あたしはぱたんと部屋のドアを閉じた。



早く下校できた今日は、外がまだ明るい。



「よしっ!」



時間もある。


気持ちに余裕もできた。



だから、進路のことは、もうちょっと気分が乗った時に考えさせて?



だって今は、いろいろ教えてくれたお兄ちゃんのために、食後のデザートでも作ってあげたい気分だから。



……あれ?


もしかして、あたしもブラコンなのかな?



お兄ちゃんのシスコンが伝染したせいであたしがブラコンになったなら


進路を考えるのが遅いっていう辺りもきっと伝染してるはず!



つまり……やっぱり考えるのは後でも良いってことだよね!



マイペースすぎて瑛梨奈ちゃん辺りには呆れられそうだけど……


そう思ったら、何だかさっきよりももっとすっきりした気分になった。



大事なことなら尚更

自分でじっくり、ゆっくり、楽しく考えないともったいないもん!



それに、いざとなったらあのシスコンお兄ちゃんが何かヒントをくれるはずだしね。



……やっぱりあたしって…………ま、いっか!



泣いて喜ぶお兄ちゃんの顔を想像しながら、あたしは軽い足取りでキッチンに向かった。





~11番 畑本亜希帆 END~
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