主婦だって恋をする

「ごめんね、結婚を控えてる祥子にこんな話……」


「いいのいいの、話してくれて嬉しい。結婚すればみんな幸せって訳じゃないことくらい解ってるし……」



そこまで言って、祥子は何か思い出したように飲んでいたコーヒーのカップを置いた。



「私……もしかして余計なことしちゃったかも」


「……余計なこと?」


「うちの会社っていつも六月に社員旅行があるじゃない」


「うん。それがどうしたの?」


「姫島さんに、成美も連れて来てって……言っちゃった」



私は目を見開いた。

社員旅行には確かに家族を連れて行っても良いことになっているけれど、今まで特に参加したことはなかった。


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