主婦だって恋をする

「……昨日、ごめん」



穏やかな、夫の声が降り注ぐ。

なんであなたが謝るの?悪いのは私なのに……


きゅ、と水道を締めて私は口を開いた。



「メール……見たのよね?」


「……うん」



もう隠せない……正直に打ち明けよう、私はそう決心した。



「好きになってしまったの……彼のこと」



私が言うと、背中に触れている夫の身体が少し震えたように感じた。


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