一色
 橙色の髪を持つ少女は柔らかな布地を強く握り締めた。茶色の瞳は前方を睨むようにその光を強くする。

 私、結婚するつもりなんて無かったのに。結婚なんて人生の墓場じゃない。望んでない結婚なんて……。




 紅色と紫色のオッドアイを持つ青年は、腰に下げている刀を持つ手に力をこめた。黒檀のような色をした長い髪が空気とともに揺れる。

 俺が……結婚!? 俺には誰よりも守りたい人がいるんだ! 何を差し置いても、絶対に! だから結婚なんてできるかー!!



 黄緑色の三つ編みが弾む。青年はにこにこと上機嫌に表情を緩ませた。それはこれから起こることへの期待と興奮の現れのようだ。

 かつて、こんなことがあったでしょうか。私の人生最大の楽しみと言っても過言ではないでしょうね。仕方ありません。私が愛のキューピッドになって差し上げます。



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