十人十色の十恋物語<短編集>
翌朝、
いつもの時間に純絵の姿はなかった。

学校で会っても目を合わせなかった。


柳が純絵と手をつないで歩いているのを見たときに、
なぜかホッとした。


ずっと一緒にいすぎた。
だから二人でいてもドキドキがなかった。
テレビで見るようなドキドキをオレだってしたいよ。

柳のとなりで笑っている純絵がオレに気がついて手を振っていた。

オレは純絵の笑顔が好きだ。

柳のとなりで笑っている純絵が羨ましくみえた。


「 朝からみせつけてんじゃねぇーよ。 」


オレの言葉に二人して笑っていた。


あー、
オレも誰かと手を繋ぎたい。


「 朽葉くん、
これ読んでください。 」


ピンクの封筒を渡された。

とにかく頭がいいって有名な隣のクラスの路考さん。


放課後
オレは路考さんを待ち伏せして


「 付き合うとか決める前に、
オレは路考さんのこと知らないから教えてくれないかな? 」


オレの言葉に大きくうなづいて笑顔を見せてくれた。

この笑顔、
メガネかけてるのに…
すげぇ可愛いって思った。


「 じゃぁ、駅まで帰ろうか? 」





end


2012/03/06
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