マイルド・ガールとワイルド・ボーイ2
オオカミの意味さえ分からない天然ちゃんの連香に、顔が引きつった。


「大変だなぁ、神蔵も相ケ瀬も。幼稚園からお世話してんだろ?ご苦労さん」


両手を合わせて頭を下げると、相ケ瀬から“もう慣れた”とサバサバした返事が返って来た。


「連香、この前お父さんに“オオカミに気をつけろ”言われて、“オオカミって大型犬?”って答えてたしな」


「………御両親も大変だ」


そこで会話を切り上げ、連香達はB組に、オレはC組の教室に入ろうとした。


「「千梨、おっはよーーー」」


聞き慣れた声の挨拶が、2人分同時に飛んで来る。
< 156 / 431 >

この作品をシェア

pagetop