マイルド・ガールとワイルド・ボーイ2
両親と紀右が顔を見合わせ、ヒソヒソ話し出した。


「連香何があったんだ?紀香、紀右、何か知ってるか?」


「ううん、知らない。どうしたのかなホント………」


「太陽かみやびに聞いてみようかしら?知良君か紅ちゃん…千梨君とか」


ギュッ―――


お母さんが最後に言った名前が、私の胸を締め付けた。


昨日の千梨とのやり取りが蘇る。


「……皆…私国語の宿題やるから…図書館行って来るね………」


ボーーッと焦点の合わない目で言った。


3人の顔が、ますます不安そうに引きつって行く。


黙ってイスから立ち上がった。
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