ハーレム ブラッド2
「はぁ…何やってんだろうな、俺は。」

幸大が咲子の背中を拭きながら言う。

「まったくです。

上半身がほぼ裸の女性を目の前にして襲わないとは…

据え膳喰わぬは男の恥、ですよ?」

うつ伏せになっている咲子が言う。

「うっさい!

背中しか拭かねぇからあとは自分で拭けよ?」


「幸大さんはチキンのヘタレですから仕方ありませんね。」

咲子がやれやれと言いたげに言う。





数分後


「さて、最後の願いは?」

幸大が言う。


「一緒に寝てください。」

「え?」

「言葉の通りの意味ですが?」


「いや…

今だってたまーに、一緒に寝てるだろ?」

「はい。

でも…割合としては一緒に寝ない日の方が多いですし、私は病み上がり…いえ、まだ治ってないかも知れません。

なので幸大さんが一緒に寝てくれる確率は極めて低いです。


ですが…私は今晩、一緒に寝たいんです。」


咲子が言う。

「わかったよ。」

幸大が枕を咲子の枕の隣に置く。

「じゃあ電気は消すからな。」


幸大は電気を消す。

「咲子、寒くないか?」

「寒いと言ったらどうするんですか?」

「抱き締める。」

「そうですか。

なら、寒いです。」


「なら、って…

まぁ…良いか。」

ぎゅっ。

幸大が布団の中で咲子を優しく抱き締めた。


「幸大さん…」

「ん?」

「おやすみなさい。」

「ああ…おやすみ。」




2人は抱き合いながら眠りに就いた。
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