ハーレム ブラッド２

「幸大さん!!

やっぱり私は必要とされてないんですか!?」


瑞希が言う


「そんなことはないと思うぞ？


ただ、その離婚した相手じゃなかっただけでさ…

他に…」


「そんなの…わからないですよ。

もう…確信のないことを信じられるような気力も最近はなくて…独り言のように愚痴を…」

瑞希が言う

「かなり滅入っているな…」

華乃が言う


「私はやはり必要のない人間なのでは…」


「必要だよ。」

幸が言う


「え？」

瑞希がキョトンとする


「この子が言ってる。


お母さんは私に必要だよ。


って…。」

幸が赤ん坊の手を握りながら言う


「ほ…本当に？」

瑞希が赤ん坊に近づく



「私に…と言うことはその子は女児かい？」

華乃が言う


「ええ、女の子よ。」

「なら、信じるに値する。


幸君が知るはずもない赤ん坊の性別を当てたのだから。」

華乃が言う



「本当に？

本当に…この子が言ったの？」



「うん。」


「他には？

他には何か言ってるの？」



瑞希が幸に詰め寄る


「泣かないで。


真っ暗な中に居たら怖いよ？」

幸が言う


「うう…」

瑞希が涙を静かに流す


「どういう意味かしら？」

アゲハが赤ん坊の頬をぷにぷにしながら言う


「家は…借金で電気も止められてて…


夜はずっと泣いてて…」

瑞希が泣きじゃくる


「よしよし…。」

幸が瑞希の頭を背伸びがちになりながら撫でる


「幸君…？」

瑞希が言う


「お父さんが、お母さんたちにこうするとお母さんたちは笑ってスゴく喜ぶんだよ？


泣いててもすぐに笑ってくれるんだ。」


「幸君〜！」

「いいこ、いいこ。」

幸は瑞希の頭を抱き締めて撫でる


「うわぁーん！」

瑞希が大泣きする


「え…？

その…泣かせちゃった？」


幸が困った顔をする


「幸…そのまましばらく続けてあげて？」

咲子が微笑みながら言う


「うん！」

咲子に言われしばらく幸はそのまま瑞希の頭を抱き締めて撫で続けた