お仕置きゲーム。
ぱちり。俺は目を開けた。目の前で倒れているセンセーを見てあざ笑う。ふと、等身大の鏡に目がうつった。白い肌、長い綺麗な黒髪。桃色の唇。俺の姿は真咲だった。俺は鏡に歩み寄り、真咲に軽くちゅ、とキスするとハサミを手に取る。
長い髪をつかみ、そのまま乱暴に切裂いた。セーラー服を脱ぎ捨てる。その時だった、ガラと保健室のドアが開く。グウゼン出張していたセンセーが戻ってきたところだった。
「ヒッ、」
光景を見てセンセーは顔を真っ青にしてその場に座り込む。「せんせ、たす、け。」俺は全身を震わせて、涙を流した。もちろん、演技。床に散らばった髪、脱がされた制服。死んでいる教師。「キャァアー!」恐怖のあまり、センセーは悲鳴をあげた。その悲鳴を聞きつけた教師が集まってくる。
「警察に連絡しろ!早く!」「救急車を呼べ!」おきまりの台詞が飛び交うなか、俺はただただ涙を流した。暫くすると警官が入ってくる。俺を見るなり毛布でつつみ、「もう安心だ。」と意味不明な事を言った。
どうやらコイツ等は俺がセンセーに襲われた、と勘違いしてるらしい。それはそれで都合がいい。(そうなるように仕向けたのは俺だけどな)
*
その後、俺は念の為病院へと送られた。体中を調べられ、はっきりいっていい気分じゃなかった。俺の体を見た医者は大きく目を見開く。「...何か?」「...い、いや、なんでもない。ちょっと質問してもいいかな?」「はい。」「小さい頃、自分の体に違和感を感じた事はない?おままごとや可愛い服に興味持たなかった?」「もちませんでした。」「小さい頃、何をして遊んでいたの?」
何がいいたいんだろう、この医者。頭狂ってるンじゃないだろうか。めんどくせー。俺は真咲の小さい頃なんてしらねェからなんとも言えない。内心舌打ちして、真咲に呼びかける。
真咲。(何、マサキ)
お前小さい時、何して遊んでた?(おにごっこ)
「...鬼ごっこ。」