お仕置きゲーム。


興奮した。気分がとてつもなく高揚している。それを悟られないように平常心を保ち、質問を続ける。



「活発な子だったんだね。友達は女の子のほうが多かった?」

「男の子の方が多かった。」

博隆の表情を見て表情をしかめた少年は冷たく言い放った。

「...はっきり言えよ。」

「お母さんやお父さんから、何か言われた事ある?」
「聞こえなかった?はっきり言えっつってンの。」

少年は椅子から立ち上がり、博隆を見下したような瞳でみる。


「っ、...君は、どうして女の子の恰好をしていたのかな?周りの子は、君が男の子だって事知ってるの?」

「さァ?気付いてねェんじゃねぇの?真咲の戸籍は女だし。」

ああ、歪んでいる。この子は、目の前で殺された女の子と自分を一緒だと思っている。ああ、成功した、始まったよ。


「ってかさ、」

「ッ、」

あまりにも完璧な成長に息を飲んだ。


「女とか男とか、関係ない。俺は真咲が好きなんだ。真咲は誰にも渡さない、だれにも知られたくねェんだよ。」



強く抱きしめたくなった。まってたよメグミと言って、今すぐ自分のモノにしたかった。けれどそれじゃ駄目だ。僕は準主人公。物語を完成させなければならない。そう、最後までメグミを見届けなければならないのだ。
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