お仕置きゲーム。

泣き虫ヒーローと優しい幼馴染





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こんなに、穏やかな生活が送れる日がくるなんて思ってなかった。私はこの生活が夢のようだと思っている。再び学校に行きはじめると、最初のうちは友達にすごく心配されて気を使われたけど今ではそんな事はない。


智香はもういないけど、智香が居た時のような普通の日常を送ることができている。家に帰ってからも、父親のお仕置きを見ることはない。施設の子と遊んで、一緒にご飯を食べて、お風呂にはいって、寝て、の繰り返し。

幸せってこういうことをいうのかな?なんて自身に問いかけてみる。マサキが(よかったな、真咲)と言ってくれる。(お前が幸せで嬉しいよ。)けど、でも、お仕置きがないとマサキに会えないのは寂しい。


私のナカにマサキはいる。話しかければ返事をしてくれる。けど、やっぱり、マサキに会いたい。マサキに会うためにはお仕置きしてもらわなきゃいけない。


歪んだ感情が心の奥で広がる。ここでの生活は楽しい。すごく、充実している。でも、今までこんな生活を送ったことがなかった。戸惑いが生まれる。「マサキ、」私、あなたに会いたいよ。あなたをかんじたいよ。(...真咲)マサキは一瞬、悲しそうな表情を浮かべたがすぐにニヤリとした笑みを見せる。


(じゃあナニ?お仕置きすればいいの?)

「...だめ。」

(俺に会いたくて仕方ないンだろ?俺が好きだから、もっと近くで感じたいンだろ。)「う、ん。」(ブチ壊してやろーか?)「...やっぱり、駄「真咲ー!」

がちゃり。同室の啓太が部屋に入ってきた。

言いかけた言葉を飲み込み、「どうしたの?」と言えば彼はにっこりと笑みを浮かべて「食堂に集合な!」と言って出て行った。


「なんだろ。」(さァ?)私は読んでいた本を閉じ、食堂に向かった。


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