お仕置きゲーム。




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この場所に来るのは、二度目だった。何もない白い空間。俺と真咲は向かい合うように立っていた。俺と真咲は泣いていた。

「...お前を、泣かせたのは誰だ。」

少しだけ鼻声で、声が震えていたけど俺は気にせず真咲に声をかけた。すると真咲はぶわっと大きな瞳から涙を流す。

「マサキ、私を愛してくれてたよね?」「当たり前だ。俺は今もお前を愛してる。これからもずっと、お前が望むなら、永遠に愛し続ける。すべてのモノから護るって、言っただろ?」「また、嘘ついた。」「ッ、嘘じゃ、ない!」



「じゃあ、どうしてマサキの頭の中は啓太のことでいっぱいなの?」


「ッ、え?」自分でも気づかなかった。俺は真咲に指摘されて体が強張る。俺が?啓太でいっぱい?ふざけんな。否定したいのに、言葉がでてこなかった。なんで、どうして。俺は真咲を愛してるンだ。真咲しかいらねェ。

「な、んで?」

やっとでた言葉は自身への疑問。


「私は、マサキが大好きだよ。」「...俺も、大好きだよ。」「本当?」「うん、本当だ。嘘じゃない。」真咲を嫌う理由がない。好きに決まってる。俺のナカが啓太でいっぱい?ありえないだろ。きっとそれは、啓太が優しかったから、初めて、あんな言葉をかけられたから戸惑っただけだ。


「お前は、俺のカノジョだろ。」


俺は俺でいなければならない。愛しい真咲を、護りつづけるって決めたんだ。全部をブチ壊す。コイツを悲しませた世界に終止符をうつんだ。


「うん。」

真咲の返事を聞き、俺はいつもの意地の悪い笑みを浮かべた。大丈夫、俺は変わらないよ。お前の父親のように、変わらない。いつまでも、お前を愛するよ。


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