恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
「 別れようか、私たち。 」


そんなこと言われるような会話してないのに、
今出るセリフではないでしょ?

オレたち
付き合いだして三年目。

これからもっとお互いを知っていって、
もっともっと好きになってさぁ、
いつかは…なんて思っていたのに。


「 なんで? 」


これがオレから出たセリフ。
なんじゃ、そりゃぁ!

あまりにもビックリしたからかもしれないけど、
いづみだって呆れてるみたいだよ。


「 いづみがオレと別れようと思ったこと、
全部教えて。
そしたら真剣に考えるから…。 」


「 全部? 」


オレはただうなづいた。


「 わかった。
明日までにまとめてくる。 」


「 今日は保留な。
オレ部活行ってくるわ。 」


とりあえず、
いづみの前から消えたかった。

オレ部活なんてしてる場合じゃないんだよ。
こんな気持ちで部活したってケガするだけじゃねぇの?

でも元気だけがトリエみたいなオレが上手く風邪ひくわけもなく、
しっかり部活しちゃったんだよね。


夜眠れなかった。

いづみからのメール全て保存してるなんてカッコわりぃよなぁ。

携帯かえてもカードに入れてるから、
いつでも見てるなんてさぁ。
いづみには知られたくないけどねぇ。
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