キスの相手はあなただけっ!!

「なんか双葉ちゃん、
来年から大変そうね・・・。」

愛がそうつぶやいた。
双葉大好きな愛。
双葉がかわいそうらしい。

「しょうがないって!
姉妹なんだしさ。」

理子は笑顔で言った。
いつも笑顔の理子。
すごいと思う。
私は今、笑える気分じゃないもん。

「あれ?マリアちゃん!」

体育館の入り口付近から
声がした。

「七海!」
「七海ちゃん!」

私と愛は声をあわせて
名前をさけんだ。
七海がいた。
とっても久しぶりに会う。
付き合うことを報告されてから
会っていない。

「元気だった?」
「うん。マリアちゃんは?」
「私もまあまあね。」

いろいろあったけどね。
あんたのせいで!
別に怒ってないけどね!
初めての失恋。
それを体験させてくれたのは
七海、あんただよ。
心のすみっこのほうで
感謝してますから!

「愛先輩。
よろしくです。」

七海がていねいに
愛におじぎした。
あ~あ。やっちゃった。
愛は後輩のこういう態度に
弱いんだから。

「な・・・七海ちゃん・・・。」
「はい?」

来るぞ!来るぞ!
愛の必殺技!

「大好きっ!
双葉ちゃんの次に好きっ!!」

でました!
愛の必殺技!
『後輩大好き抱きつき』が!
これ、双葉のときもずっと・・・。
困っちゃうね。
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