キスの相手はあなただけっ!!

危険 ~MARIA~


昼休み。
私は笹口君に呼び出された。
体育倉庫に来てって。

「笹口君。何?」

私は告白だと最初は思った。
でも今日会ったばっかりで
いきなりってことはないよね。

「あのさ時澤さん。」
「はい?」

笹口君は少し頬を赤らめて
私を見つめた。

「僕、一目惚れしちゃった。」
「誰にですか?」
「時澤さんだよ。」
「えぇ!」

そ・・・そんな。
会って間もないのに・・・。
でも私には聖夜がいる。
笹口君には悪いけど
付き合えないや。

「だから僕と付き合ってくれない?」
「えっと・・・。
ごめんなさい!」
「え・・・?」
「私彼氏がいて・・・。
その・・・。
大好きなんです。彼が。
だから・・・。
ごめん。」

笹口君はうつむいた。
その時ニヤッと笑った。

「ふーん。彼氏?
あはは。小野だろ?」

なんか笹口君のキャラが違う?!

「なんでしって・・・。」
「実亜からきいたよ。」

笹口君は私をマットへ押し倒した。

「___っ!」

その上におおいかぶさるように
笹口君が来た。

「なにするの・・・?」
「怖い?」
「え・・・?」
「僕はね
好きな人は必ず手に入れたいんだ。
だから手荒な手段を使っても
手に入れるんだ。」

私は危険を察知した。
襲われる!
確実に!

「やめて!」
「大丈夫。キスするだけだから。」
「いやぁっ!」
「動かないで。優しくするから。」

笹口君の手が私の頬をなでる。
ビクッと体が反応してしまった。

「まだキスしてないよ?
頬をさわっただけなのに反応するなんて。
時澤さんは襲う価値がありそうだね。」
「え・・・?」
「今日はキスだけにしようとしたけど
時澤さんを食べたくなっちゃった。」

いやだ。
助けて!誰かぁ!

キーンコーンカーンコーン

昼休み終わりのチャイムが鳴った。
良かった。

「ちっ!いいや。
今日の放課後部活ないだろ?
だから襲ってあげる。
小野も連れてきてあげるよ。」

そうだった!
いまはテスト期間中だった!
どうしよう。
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