生意気なハケン君
――――…………

――……




「遠藤?」

「……宮下君…」







――運命だと思った。








同窓会が終わって一週間後、


仕事が終わり、一人でカウンターバーで飲んでいる時に再び彼と再会したのだから。






ブランドのスーツを着こなし、スラッと伸びた身長。


端正な顔立ちは薄暗い店内でもはっきりと確認できた。





その後お互い一人だったせいか、

私達は、カウンターで肩を並べながら身の上話に華を咲かせていた。







「遠藤は今恋人とか…いるのか?」

「いたら、こんな場所に一人で来ないわよ」






高校時代、話すらまともに出来ないぐらい周りに女子がいた相手が、


十数年の時を超え、今すぐ隣でカクテルを片手に自分の身の上を話す。






あの頃の私が知ったら、泣いて喜ぶだろうな。





「宮下君こそ、綺麗な彼女いるんでしょ?高校時代からモテてたもんね」
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