さくら色 〜好きです、先輩〜

「ああ、大丈夫。当番すっぽかしてごめんな」

「そんなこと気にしなくていいよ。それより香緒里は…?」

「さっき保健室に見に行ったけど、今は落ち着いてた。今日はそのまま帰るって」


佐々木君の言葉を聞いて、クラスの皆がほっと胸を撫で下ろした。

二人の無事を確認すると、さっきまで沈んでいたクラスの雰囲気が一気に和らいだ。


「香緒里ちゃん、明日来れるといいね…」

「しかし、お前らが付き合ってたとはなー」


あちこちからそんな声が飛び交う。

私は皆から少し離れ、複雑な思いでそんな話を聞いていた。


里美は二人が付き合ってたっていう噂、聞いたかな…

学年の人気者の二人の話題は、一年生の間では板橋先生のストーカーの噂よりも盛り上がっている。

だからきっと…里美の耳にも入ってると思う。

どんな気持ちで聞いてるんだろう…


私も中学のとき先輩に好きな人がいるって噂になって凄く辛い思いをした。

里美にはそんな想い、して欲しくないのに…




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