傍観少女。

case02


高校1年の冬。
中学を卒業して半年以上経つ。
高校の生活にも慣れてきた頃。

おかしな時期に転校してきた一人の少女がいた。



黒板に書かれたきれいな文字で西園寺エリカと書かれていた。
第一印象は取っつき難いお嬢様。

彼女は空いている席に案内された。
窓際の一番前。
黒くて長い髪を結ぶことなく靡かせる彼女は誰が見ても美人と答えるだろう。


ほら、この年頃の女子って流行りのものに飛びついて周りの顔色窺いながら当たり障りない生活を送ろうと必死になってる奴が多いだろ?
だけど彼女はそんな雰囲気もなく、ましてやこれから生活を共にするクラスメートの輪に入ろうともしなかった。

だからと言って話しかけてくる奴を無碍に扱うようなことはしない


「西園寺さんってどこの学校から来たの?」


「○○にある山茶花学園からよ」

「えーーー!!あそこって超が付くほどのお嬢様学校じゃん!」

「そんなことないわよ。奨学金を受けていましたから学費もそれほどかからなかったもの」

当たり障りない会話に当たり障りない笑みを貼り付けて。
深く人を寄せ付けないように距離をとる。


「奨学金って特待生ってことだよね!?あそこって主席以外の特待って認められてないよね?」

「ってことは西園寺さんあのエリート学校の主席!?すっごーい!!」

「そんなことないわ。高校一年のテストなんて中学の応用だもの。誰にでもチャンスはあったわ」



普通なら嫌味にもなる受け答えも彼女は難なくかわす。


「なーなー!西園寺さんって彼氏とかいんのー?」

「私なんかとお付き合いしてくださる包容力のある方は中々いませんわ」

「えー?俺なんかどう?」

「私なんかよりももっと素敵な女性がこの学校にはたくさんいますよ」

こんな話も彼女はうろたえることなく返す

正直世渡り上手だと感嘆する。
頭がいい証拠だ。
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