お見合い恋愛
1.余計なおせっかい
RRRRRRRRR------



どこかで携帯が鳴っている。

でも、夢の中かもしれない。




俺はどこかぼんやりとした気分で、その音を聞いていた。

ゆっくりと瞼を持ち上げると、カーテン越しに差し込んでくる光の角度で

今が昼時だとわかる。

そうなると、まだ鳴っている携帯が夢の中のものではないことにも気づき

俺は枕元の携帯に手を伸ばした。



「・・・はい」


カラカラに乾いた喉から振り絞るように返事をすると、受話器の向こう側から

なんだか騒がしい音がする。


『もしもし、央?』


なんだ・・・母さんかよ・・・


そう思いながら、体を引きずり起こし頭の上にかかっている時計を見上げた。







時計の針は、11時40分を指している。
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