Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】

「瀬名さまなんて……大っ嫌いですわ!!」


わたくしはうなだれた瀬名さまの顔に思いきりクッションを投げつけると瀬名さまの部屋を後にしました。


もちろん、勢いよく彼の部屋のドアを閉めるのも忘れずに。ですわ!!



バシン!!



大きく家じゅうに響く虚しい音は、わたくしの胸を締めつけます。





拒絶された。



何もかも。



瀬名さまに。



告白さえもさせてはくれなかった。






「っつ……っふ…………」



視界は絶え間なく押し寄せてくる涙によって滲みます。



どのくらい走ったのでしょう。

気がつけば、近くの海岸に足が向かっていました。




ザザン……ザザン…………。




寄せては返す波の音に耳を傾けると、足も勝手に海を目指します。


運動靴であっても靴の中に入ってくる小さな砂を踏みしめながら、わたくしは壮大な海の側にやって参りました。





チャプン。




両足を海水へとつければ、たちまち二本の足が魚のしっぽへと変化しました。





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