誠の桜に止まる蝶~番外編~
私は沙織を探していた。

さっきのことを謝りたいと思ったから。

「いたっ!!」

沙織は縁側に座っていた。

その横顔はすこし憂いがあり美しかった。

「沙織・・・?」

私はそっと声をかける。

「ん?」

沙織は私の声に反応して顔を上げる。

「どうしたの蝶?」

「あの、さっきはごめんなさい!!」

沙織はきょとんとした顔になった。

そして少し考えてああっ、という顔になった。

「もしかして試合のこと?」

「うん・・・・」

「全然気にしないで?怒った私が大人げないし。」

そう言って苦笑いをする。

「いや、沙織は悪くないよ!!ただ、私負けたの初めてで・・・それで・・」

「蝶の気持ちわかるよ?」

「え?」

「私も負けたときそうだったもん。」

そう言ってにっこり微笑む。

そして沙織は自分の隣をぽんぽんと叩く。

私は沙織の隣に腰掛ける。

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