誠の桜に止まる蝶~番外編~
まるで、桜の木がそうだよって言ってくれているような気がした。

「土方さん・・・私の強さ、見つけたよ。」

空を見上げたままつぶやく。

「そうか。」

「うん。私の強さを貫いてみんなを守るから・・・だからみんな死んだらだめだからね?」

私は自然とまた涙をこぼす。

「ったくお前はどんだけ泣くんだよ。俺らは絶対今は死なない。」

そういって土方さんが穏やかに微笑む。

「うん・・・あのね、私本当は歴史を一度変えてしまってるの。まあ、後世に影響はでないんだけど・・・」

「そうか。」

土方さんは黙って聞いてくれる。

だから私はすらすらと話し始める。

「うん。でも歴史を変えることは怖くないよ?みんなのことが大好きだから。私が怖いのはね、みんなを助けられないことなの・・・」

「お前なら大丈夫だ。それに俺らだって助けられてばかりじゃねえよ。」

不敵に微笑む土方さんの横顔は月夜に照らされて綺麗だった。

「わかってるよ。だけど、私みんなのこと歴史の波から守るから。それに運命だって変えちゃうんだから。」

「ったく恐ろしい女だな。」

「えへへ?」

私たちは微笑みあった。

土方さんと真面目に会話したのはこれが初めてかもしれない。

「だから、土方さんも無茶は駄目だよ。」

「ああっ。」

「んっ!!」

私は指を差し出す。

「は?」

土方さんは驚いてこちらを見る。
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