夏が終わる
夏の終わり


入れ入れ入れ。



私は組んだ手に力を込めて祈った。
しかし、レフトに向かって伸びる打球は、ホームランになるには高さと飛距離が足りない。

私は組んだ手に更に力を入れた。指が痛い。
そして目を固く閉じる。
もう祈りというよりある種の呪いのように心の中で繰り返す。



落とせ落とせ落とせ。




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