Dummy Lover
私は覗きこまれた顔をバッと上げて、白谷から出来るだけ離れながら、思考を巡らした。
覗き見、
…って渡り廊下の!?
バレてたなんて…。
私は動揺を隠し、出来るだけ平静を装う。
「何言ってるの、白谷くん?覗き見って、」
「無駄だよ?」
『覗き見って、なんのこと?』と続けようとすると、白谷に遮られる。
「…無駄って、何が?」
「分かるでしょ?隠そうとしても無駄って言ってるの」
私は白谷の言葉に唖然としてしまった。
思考回路が全て止まる。
やっぱり、嫌な予感は的中したんだ。
「中庭の僕のこと、見たでしょ?丸見えだったよ。まあ、あの時は誰だか分からなかったけど、」
「じゃあ、どうして…」
私がそう問うと、白谷はふっと微笑して。
「さっき、職員室で間近で見て分かった。学年一優等生の羽月由愛だって」
「なっ…!」
「その様子だと、認めたんだ…?」
「……」
私は目の前で勝ち誇った笑みを見せる白谷泉を、睨みつけることしか出来なかった。