いかれ帽子屋はせせら笑い、ヤンデレ双子はただ愛した
「死体を持ち歩くなんて変わっている。色々と変わり者は知っているが、君たちはより変わっているよ」
「変わっていようが構わない」
「俺たちはただ、恋人と一緒にいるだけだよ」
「恋人……?」
三秒ほど考えて、そういうことかとヴェンスは頷く。
死体を恋人だから持ち歩くだなんて到底理解などできないのに、ヴェンスにも何か思うことはあったのだろう。
「逃げたりしないように、そうやって“所有物”として持つのは利口だ。相手の気持ちを無視した、残忍な自己満足であろうとも」
「無視などしていない」
「香我美がずっと一緒にいたいと願ったんだ」
「だからと言って、それは果たして、死にたいとも思えることなのかい。醜い腐敗を晒してまで、持ち歩いてほしいとその恋人も思わないだろうに」