琥珀色の誘惑 ―王国編―
マフムード・ビン・アサド・アール・ハーリファ。

二十四歳の若さで亡くなったミシュアル王子の従兄。アサド前国王のひとり息子で前王太子でもあった。

だが彼は、その出生から色々取り沙汰された人物だ。

アサド前国王に子供はなんと彼ひとり。王族の特権を利用し、若い頃からハーレムを持ち、寵妾を侍らせていたにも関わらず、だ。
四十三歳でマフムード王子が産まれた時、一族の長老方は公的機関による鑑定を要求した。だがアサド前国王はそれを退け、自身が用意した証明書を提出したのである。
結局、アサド前国王にはマフムード王子以外に子供はひとりも出来なかったという。

だが、マフムード王子は父親にそっくりな面があった。

それも、いわずと知れた好色な点。

時代の流れからハーレムを持つには至らなかったが、十代の頃から多数の女性問題を引き起こしていた。素行の悪さから、隣国の王女との婚約が解消になった経緯もある。

マフムード王子はクアルンに居たがらず、大学は前例に反して英国に留学した。卒業後も専用機に数十人の女性を乗せ、世界中を飛び回って遊んでいたという。

軍役にすら就かない王太子に、国民は皆そっぽを向き、クーデターすら起きかねない事態まで追い込まれ……。


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