琥珀色の誘惑 ―王国編―
ハディージャ妃の言葉なんて信用出来ない。

そう思った舞は、ヌール妃の宮に戻り、彼女が帰って来るのを待った。そして、戻るなり質問したのである。

ヌール妃は困ったように首を振り、


「そうね……どこから話せば良いのかしら……」


彼女の口調にいつもの歯切れはなかった。


王妃は外国人の血が混じっていても、異教徒でも構わない。

だが王族の第一夫人になれるのは、


――三代続けてクアルン国民であること。


それだけが正妃となる条件だった。


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