琥珀色の誘惑 ―王国編―
舞は懸命に唸り声を上げるが、ピッタリ口を覆われているため、ほとんど声が出ない。

これを思えば、アルが後ろから口を塞いだ時、どれほど手加減してくれたのかが良くわかる。


男は壁に伸ばした舞の手首を掴み、頭の上に押さえつけた。


「いい加減にしてくれよ。暴れられたら避妊具がつけられないだろう? そうなったら困るのはお前のほうだ。それに、どれほど騒いでも誰も来ないよ」


舞はその台詞にギョッとした。

この男は、シャムスたちに何をしたのだろう? 最悪の予感が舞の頭をよぎる。

それに、他にも看過出来ない言葉が――。

男は裾の長いトーブではなく、日本で言えば甚平のような物を着ている。

しかも、さっきからゴソゴソしていると思えば……なんとショートパンツを下にずらし、“とんでもないもの”をもろに出していた! 

幸い、暗闇なのでモザイクが掛かったようにしか見えない。だが、男の目的は一目瞭然だ。


「クソッ! どうやったら、こんな面倒なものが片手でつけられるんだ!?」  


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