こちらミクモ探偵事務所4

男は相変わらず妖しく笑いながら私を見てくる。

「俺の事、知ってる?」

「……え?」

優しい口調。
彼はしゃがみこみ、私に目線を合わせながらナイフに手を添える。

「冥土の土産にでも覚えておいてくれ」

「……」

「俺の名前は――三雲紘哉だ」

そう言って、男はナイフを引き抜いた。

冷たくなっていく体温。
私の意識は闇へと引きずり込まれた。

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