こちらミクモ探偵事務所4

「何か思い当たる事とかないの?」

テーブルに伏せていた恵一が顔を上げて訊く。
紘哉は詩を指でなぞりながら、ゆっくりと口を開いた。

「一応、思い当たる節はある。
『ゆらりゆらりと揺れる炎』……恐らく、これは六年前の放火事件の事だと思う」

「あー……確かに、放火で家と両親亡くしてるしな」

「それと後半部分。
ここで言う『姫』と言うのが、ワトコの事なんだろうな。
そして、『果実を食し永遠の眠りへ』の部分から夏紀も当てはまると思われる」

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