こちらミクモ探偵事務所4

『相変わらず酷いなぁ……せっかくイイ事教えてあげようかと思ったのに』

「……」

電話を切ろうとしていた紘哉の手が止まる。
気配が変わった事に気付いたのか、冬也はクスクスと笑った。

『オレからの忠告だよ。
大切なモノは、肌身離さず持っておいた方がいい』

「ご忠告をどうも。あいにくだが、俺には大切なモノなんて無い」

命やお金など、ありきたりなものを除いたら、の話だが。

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