☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
わたしが言われるのは仕方ない。
だけど、わたしのせいで翡翠が悪く言われたら…………
「杉谷社長、彼女はそんなことをしてません。
その証拠に、彼女は最初私のことを嫌っていましたから。
どちらかって言うと私の方が色仕掛けしました」
翡翠はわたしをかばうように言った。
色仕掛け?
翡翠ってそんなことしてた?
「それに………彼女を傷つけるなら、誰であろうと許しません」
「そ、そうか……」
杉谷社長は翡翠の威圧感に押されたのか、ちょっとたじろいでいた。
「話はもうないようなので、失礼します」
翡翠は頭を下げて、わたしの手を引き杉谷社長から遠退いた。
杉谷社長から距離を置くだけかと思ったけど、離れても翡翠は歩くのをやめない。
人の間をすり抜けながらどんどん進む。
「翡翠?」
どこに向かってるの?