アイドルな王子様

ひと皮剥いたら王子様?

 稚内に着いて、私たちはそれぞれの宿泊先へとタクシーで向かった。

 私はシティホテルにチェックインしてあったんだけれど、彼が予約していたのは、古くて小さな民宿だった。



 夜の食事の約束をして別れた私たち。


 着替えもなく、ずっと着たきりスズメだったから、夕食までにはお風呂に入って身綺麗にして、ちゃんとメイクして、ちょっとお洒落をしていこう。


 ただ食事をご馳走になる為だけなのに、私の胸はまるでデートの約束をしているようかのように、どきどきうきうき、高鳴っていた。






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