世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
第11話 レイン
 私とレイは毎日のように愛し合った。

 私にはもうレイしかいない・・・。

 レイさえいれば他に何もいらない・・・。

 本気でそう思った。

 もし、今世界が終わったとしたら・・・。

 レイが隣にいてくれたら、それだけでいいって・・・。

 こんな日々が数ヵ月つづき、気がつくと季節は秋になってた。

 相変わらず夫とは連絡さえしない。

 そんな夫婦生活・・・。

 でも、それが私には、ありがたかった。

 だって・・・、私にとって夫の存在など無いに等しかったからだ。

 レイと2人でいる時間だけが私の支えだった。

 でも・・・、そんな日々なんて長くはつづかなかった。

 私には永遠であって欲しかったけど・・・。

 誰から見たって普通じゃない私達。

 だんだんレイが変わっていった。

 レイはバイトを始め、私達は会う時間が今までみたいに頻繁ではなくなり毎日会ってたのが、週に3回になり、1回になり、
2週間に1回になっていった・・・。

 会えば抱き合う。

 そして・・・、私はレイが好きなの。

 離れないで・・・。

 そばにいて・・・。

 ってすがる。

 レイは私を激しく抱くと、

「俺、これからあんまりあなたに会えなくなるんですよ。

 バイトもやんないといけないし。

 学校も定時制行くんで・・・。

 けど、あなたの事を愛してますから・・・。」

「ニャアー、ニャアー。」

 クラウディオがレイに甘えるとレイはクラウディオの頭を撫でた。

「そっか・・・、定時制いくんだあ・・・。

 がんばってね?」

「はいっ。」

「それから・・・、レイ・・・。」

「じゃ、俺バイトなんでまたいつか・・・、来ますね。」

 そう言って去っていった。

 私はわけもなく泣けてきた。

 いつか・・・?

 私はバカだ。

 まだ15歳の男の子に自分のすべてを委ねようとしてたなんて・・・。

 バカにもほどがある・・・。

 しばらく縁側に座り込み空を見てた。

 レイは、それから1ヶ月位現れず、私はそれでもレイが来てくれるんじゃないか?って期待した。

 毎日、毎日・・・。

 レイを待ってた。

 けど、レイは現れなかった。

 クラウディオも元気がなかった。

「ニャアー。」

 私の顔をじっと見つめる。
< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop