花咲く原石
「浄化作用があるっていうの?別に汚れてる訳じゃないけど洗われた気分になるんだよな。」

「あはは。」

汚れていないことを強調するリトにシイラは笑ってしまった。

「うん、私も分かる気がする。気持ちもいいしね。」

楽しそうに月を見上げるシイラにリトは微笑んだ。

そしてまた月を眺める。

「飯は食べたか?」

「うん、美味しかったよ。お腹いっぱい。」

「じゃあ…これはいらないか。」

周りから少しずつ失敬してきた食べ物を見てリトは悩んだ。

ちょっと貰いすぎたかもしれない。

「うーん、入らないね。」

「だな。」

あとで返してくるとリトは苦笑いをしながら頭を掻いた。

その仕草や話し方、やはりシイラはリトに対して警戒心も持てないと思う。

これもダイドンの言っていた出会いの1つなら大事にしたいと強く思った。



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