花咲く原石
強く答えを求めている。

「リト、私達も行きます。」

「ああ、ご苦労だった。」

手持ちぶさたなリトの仲間達もまた森の中へ戻っていき、さっきまでの出来事が嘘のように静かになった。

オーハルから抜かれた矢も回収されたのだろう。

さっきまでの名残を示すものは抉られた土や草ぐらいしかない。

永遠に続きそうな混沌の感情は、まるで台風のように荒らすだけ荒らして去ってしまったようだ。

一体何だったのだろう。

そう言わせてもおかしくない展開の早さに、シイラも混乱を通り越して諦めがついた。

自分が理解する前に片付いてしまった。

多分、彼女が頭の中で他人事のように考えていることが正解だ。

そしてきっとここではもう終わってしまい、また次の場面へ進むのだろう。

おそらく自分以外の人間はある程度の状況を把握している。

だとすればシイラ1人だけ取り残されても仕方ないのかもしれないが。

そこまで考えてシイラは首を傾げた。



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