嘘つきな君からのキス

頬に

――


「あれ？」


少しばかり早く着いた教室。机の中には二つ折りの紙が入っていた。

プリントとかの類いは机の中に入れっぱなしにしないのにな。と思いながら紙を開く。

『今日の放課後、教室で待ってろ！』


「……？」


差出人と思われる人の名前は一切ない。用件だけ。

誰かも分からないのに待つと言う行為には少々抵抗がある。と言うか文面が怖い。

だけど、命令系で書かれているからには待っていないといけないのかもしれないし……。


「れーちゃん、おはよん」


混乱してしまっている私に声を掛けて来たのは鳴瀬君。


「あ、お、おはよう」


ギリギリにくる朱や登校時間でさえ不明な三神くんとは違い早めに登校してくるようだ。