嘘つきな君からのキス


ほんの少し三神くんに笑いの余韻が残っていた所に、コンコンッと叩く音。

見れば窓の外にはクラスメイトが立っていて、三神くんを呼んでいるようだった。本人は窓を開けてそれに応答をする。


「何?」

「やー、邪魔して悪いな。ごめんねー逢坂さん」


微塵にも此方に言葉を投げ掛けられるとは思って居なかったので、慌てて首を横に振った。


「今から野球すんだけど、三神もやるか?つか、やるよな」

「うん」


決定も決定。即答も即答。

時計を見れば休み時間も終わりに近くて、聞いてしまった。


「あの、もう授業始まるよ?」


と。



< 35 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop