私の彼氏になってください
*****
『あかねちゃんさぁ…、倉本のコト好きでしょ?』
「えぇ?くっ、倉本のコト…?」
突然ななっぺに核心を突かれたようで、ビックリ…とゆうよりも心臓が跳ねて出てきそうだった。
確かに倉本のコトを好きかもしれないって思ってたけど、何でななっぺがそんなコトに気付いてんの?
「どーしてななっぺがそんなコトを?」
『じゃあ聞くけどさ。何で夏休み中、塾の夏期講習に通ってたの?』
「え?それは親からケータイ買ってもらうためで……」
そんなに塾の夏期講習が不審に思われるコトかなぁ?
確かに夏休み前に倉本が塾に通ってるって小耳にはさんで、「通ったら倉本に会えるかな〜」なんて淡い期待をしてたのは確かなんだけど。
でもあくまで淡い期待だしっ!!
そりゃあ…、塾で同じクラスになれたらってちょっとは思ってたけどさ。
ちょっとは。
すると、耳に当てていたケータイから大きなため息が聞こえてきた。
『あかねちゃん、無理に理由を付けなくていいよ。私はいつもあかねちゃんの側にいるからさ、何となく気付いてたんだけど。あかねちゃんの会話、倉本に関するコトかなり多いよね』
「そっ、そんなことないっしょー?私、倉本のコトなんて話してた?」
『うん。『倉本ってどんな漫画読んでるんだろ?』とか言ってたり、『倉本絶対彼女できない性格してるよね』とか、他には……』
「あ〜っ!!もーいーって!恥ずかしーじゃん!」
『じゃあ、倉本が好きって認めるんだね?』
「何か尋問みたい。好きってゆーかぁ………、好きなのかなぁ???」
自分で言ってみて、ちょっとだけ顔が火照った。
心臓が少し速く、ドキドキいってる。
好き…。
私が、倉本のコトを、好き……。