片思い経由、恋愛行き


「…分かった」



しばらくの沈黙の後、郁也が口を開いた。



「今日、お前ん家に泊まらせて。
明日の朝、一緒にバス停に行ってやる」


「……は?」



どゆこと…!?



「いいから。あの子に言いたいことがあるんだよ」



意味深げにそう言う郁也。



成海さんに…言いたいこと?



…郁也が?



…まさか、成海さんを傷つけるようなことを言うつもりなのか…!?




「安心しろ。お前の心配しているようなことは言わねぇよ」



俺の表情を見て読み取ったのか、郁也がふっと笑って言った。



「……それなら別に…いいけど」



…何だかよく分からないまま、とりあえず承諾しておいた。

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