ねぇ、まこと。
ねぇ、まこと。
あの頃のあたしたちは、互いに変わらぬ気持ちを秘めながら、相手の気持ちをためすことばかりしていたよね。
リセットする度に、相手の気持ちに満足したりなんかして。
不安定な恋愛に怯えながらも、こぼれない愛情だけは確信していたよ。
“あたしたちは、離れたりなんかしない”
「別れよう」
まことは、いつも突然、あたしを冷たい言葉で突き放す。
その度に、泣いて…泣いて、泣き崩れてた。
追いかけると、余計に距離が離れていく。
あたしは、絶望感に濡れた夜を、何度も経験した。