ねぇ、まこと。

これは、たぶん、あたしにしかわからないと思う。

想われていると実感する、かすかな瞬間。

あたしが、まことを手放せないのは、これがあったから。

あたしは、まことが不意に見せる、この瞬間に賭けていた。

“大丈夫、まことはあたしを愛してくれている”


確かな想いを裏付ける一面は、他にもあった。

あたしは、まことと2年半以上…交わっていなかった。

理由を言えば、“会ってないから”なんやけど。

でもね、それがまた本物って思えたねん。
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