無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
 


 俺が最初に、独りで走るよりも、もっと。


 人間を乗せた方が速く走れることに、気がついたのは、いつだったろう?


 のんびり牧場を走りまわってたのに、ある日突然。


 窮屈な馬具をつけられた挙げ句。


 散々訓練を受けさせられ。


 一番最後に俺に、手をかけたのは、騎手(ジョッキー)とかって言う、人間の男だった。


 
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