【完】君しかいらない
「……おい?」



強引に近づいてきた司は、俺の唇じゃなく……顔のすぐ側でなにかを囁いた。



「……ゴメ……」



「……え?」



「お願い……逃げて……」



蚊の鳴くような声で、司が確かにそう呟いた。



逃げ……って、なんの話だよ。



「おい、司!?」



体を揺さぶると、司は俺を振りきって走って逃げだした。



なっ……一体どういうことだ?



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