【完】君しかいらない
――ガチャ。


……え?


リビングに、奏太くんの姿が見えた。


「おいっス」


…んっ!?


あたしは思わず部屋の扉を閉めた。


な…んで、いる…の?


――ドンドン。


「愛梨ちゃーん。デートしよーぜ?迎えに来た」


なっ……だからって、いきなり!?


「ちよっ…ちょっと待ってっ!!すぐに着替えるからっ」


あたしはそう声をかけて、慌てて服に着替える。


寝起きなのにー!


こんな姿、奏太くんに見られたくなかった。


「そのまま出てきて」


「ヤダっ!」


「なんでだよー…寝起き、かわいーじゃん。つーか、昨日も見たぞ?」


そ、そーなんだけど!


だけど、あのときはお兄ちゃんちだったし、まだ付き合ってなかったし。


なにかと違う条件だったわけで!


意識し始めたら、なにもかもが、とてつもなく恥ずかしいんだもん!
















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