【完】君しかいらない
すると、目の前には……



間違いなく、安元くんが立っていた。



「……わぁっ!!」



「…お前、驚くまでに時差ありすぎー。相変わらず、ボケボケだな」



うざったそうな顔であたしを見るところも、いつもの安元くんだ。







「え…と。いつ、退院したの?あたし、全然知らなかった」



「言う必要あった?」



「そ…うだけど。だけど、心配してたし…言ってくれたって」



「そっか、今度から気をつける」



今度って!今度があっちゃダメだし。



「奏太くんだって、心配してたよ?奏太くんは…知ってるの?」



「あぁ…ちょっとバタバタしてて。退院決まってから、連絡できなくて…」



そっか、そこまで気がまわらなかったってことだよね。



「そうだよね、やることたくさんありそうだし。それに、連絡してって頼んでたわけでもないし…」



「…今から、学校?」



安元くんは、あたしの制服をジローッと見てくる。





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